作家として自分は客観的な第三者的立場をとることに慣れている。しかし別れをいおうとして悲しみが押し寄せてくるのを感じずにはおれなかった。感情を抑えるために、私はいまでも困惑している質問をした。なぜ Jobs はかくも熱心だったのか。いつもなら人目に触れるのをいやがる彼が、一冊の本のためにかくも心を開いて、2年間の50回にも及ぶインタビューや会話を通じて自らを語ることにどうして熱心だったのか、と。「子供たちに自分のことを知ってもらいたい。いつも一緒にいたわけではないから、子供たちに自分がしたこととそのわけを理解して欲しいのだ」というのが彼の答えだった。